身近にてんかんの患者はいませんか?~てんかんの事を正しく理解しましょう~

てんかんと聞くと、てんかんの患者が交通事故などを起こして報道されて嫌なイメージかもしれませんが、周囲の人が正しく理解して正しく向き合えば、互いに気持ち良い関係が築けますし、事故などの危険も回避できます。

まずはてんかん患者の事を理解しましょう

てんかんという言葉はいまだに偏見のある言葉です。今は随分とてんかんの治療薬も増えましたし、その原因なども分かってきていることも多いことから、てんかんと診断されても発作を起こさないようにコントロールすることが出来ます。しかしてんかんのことをあまり知らない人、またてんかんの発作を見たことがない人は、実際に知識がなくただイメージで偏見を持っているだけなのですね。そのイメージというのは、発作を一度起こすと、バタンと倒れて、口から泡を吹く、そして意識がなくなって白目をむいているというようなものでしょう。これは強直性けいれんの症状の1つなのですが、てんかんと呼ばれるものの中には、身体の一部だけのけいれん発作をしめる物や、意識がなくならず意識を保ったままで発作が起きる場合などいろいろあるのです。そのために一般の人に理解を得るには大変だと言えます。
それでもてんかんの人はきちんと定期受診をして医師の診察を受け、内服薬を欠かさず飲んでいれば、発作を起こさずに何年も過ごすことが出来るのですね。また学校生活や仕事なども支障なく行うことが出来るのです。ただてんかんの人たちがそのように一般社会で受け入れられ生活をするためには、疾患や患者さんのことを理解する必要があるのですね。
理解をするためにはどのような手段があるでしょうか。テレビや雑誌でも時々取り上げられていますし、インターネットなどでも探すとたくさんの情報を得ることが出来ます。特にインターネットでは専門的な医師が書いた記事もありますし、一般の人向けに簡単に説明されているものもあるのですね。そのために初心者には、簡単な説明のものを読んで理解するのがおすすめです。

もし身近な人にてんかんの疑いがあるなら検査を

てんかんは、繰り返し発作の起きる病気ですが、発作を起こした本人に発作時には意識がないことが多いので、身近なところで発作時の状況を確認していた人と診察を受けることで、より詳しい症状を医師に伝えることができます。スマートフォンの動画機能などを利用したりして、可能な限り発作時の状態を伝えましょう。てんかんと類似した他の病気が原因での発作の可能性もあるので、実際にてんかんかどうかの診断は、必要な検査を受けた後で初めて確定することができます。確定診断の為に必要な検査として、最も重要なものは脳波検査です。発作時には通常の脳波とは異なる発作波と呼ばれる特徴的な脳波が記録されます。脳波検査でも、脳の奥深い場所でてんかん発作が起きている場合は発作波として捉えにくい場合もあります。また、発作波も頻繁に現われている訳ではない場合もあります。このことからも、脳波検査は1度ではなく、何回かにわたって行われることとなります。
また、専門病院でないと受けられませんが、ビデオ撮影によって、発作の状況と脳波を同時に記録できる長時間記録ビデオ脳波モニター検査という検査もあります。長時間にわたってモニターする必要がある為、この検査には入院が必要となります。
大脳の中の状態を詳しく見る為には、CTやMRIなども利用されます。血流量などの脳の働きを観察できるSPECTや、脳内での酸素や糖の消費量から脳の働きを調べるPETなどを用いればより詳細な脳の活動状況が確認できます。これらに加えて、心理面や臨床面での検査が加わることもあります。
いずれにしろ、本人には発作を起こしている時に意識がない場合が多いので、周囲の人の対応は大きな意味を持ってきます。もし身近な人がてんかんかもしれないと思ったら、早く検査を受ける様にアドバイスする必要があります。

てんかんの治療方法と周囲のフォロー

てんかんは、わずかの例外を除いては、完治させることが難しいのですが、適切な治療をすればうまくコントロールすることが可能です。主な治療方法としては、薬物療法や外科的治療、食事療法などがあります。その中でも薬物治療が最も一般的で治療への第一歩となるものです。基本的に、てんかんの治療薬というのは、発作を抑えることを目的としたものです。てんかんを治す為の薬という訳ではありません。基本的には、1種類の薬を飲み続けることで治療を行います。1種類の薬での治療で効果が上がらなければ、他の薬に切り替えることになるのですが、最終的にはやはり1種類の薬での治療を目指すことになります。治療薬にも副作用があり、個人差はありますが長年にわたって服用する中で、重篤な副作用を表す方もいらっしゃいます。治療の効果を上げることも大事ですが、それによって、副作用が重くなる様であっては、患者さんにとっては良いこととはいえません。発作を抑えることの次ぐらいに副作用を最小限に抑えることも大事となってきます。
また、治療にあたっては、患者さんの人生や生活の質をいかに良いものに保っていけるかが重要となります。てんかんには、社会的に偏見もあり、学校や職場での差別を受けている患者さんも多くいるのが実態です。周囲の人々がてんかんに対する正しい知識を身に付け、患者さんが不安を感じたり、不快に感じたりしない様に十分に気を配ってあげる必要があります。長い期間にわたって治療を続けなければならない患者さんの気持ちを周囲が少しでも理解し、サポートできるところはサポートし、フォローが必要な場面では適切なフォローを行うことで患者さんの病気との付き合い方も楽になっていくのです。